お客様が無免許運転扱いに!こんな問題を無くしたい】

- はじめに、Wildduckモーターサイクルについて、設立の経緯をお聞かせください。
当社は2004年1月に設立し、19年目を迎えます。
創業のきっかけは、 私のハーレー好きから始まって、全国のオートバイ愛好家へ安価にオートバイを
提供できないか?と思い立ったことがきっかけでした。

当時世の中には、ネットでバイクを購入する方法がほとんどなかったんです。
オートバイは街中にあるオートバイショップからしか購入する方法がありませんでした。
そこで、既にネットでオートバイを少数販売していた友人に、色々な方法を教わって自身で独自の方法を
使って販売し、北は北海道から南は沖縄までネットを通じて多くのお客様に喜んでいただけた、という
成功体験を得ました。

- 販売や整備に関する知識は、もともとお持ちだったのでしょうか?
私は電気科を卒業したあとに、生命工学(バイオテクノロジー)の分野も勉強したくなり専門学校に
入学しました。
卒業後は大塚製薬の研究所に勤務しておりましたが、実家で不幸があり帰省し、その後は母と二人で
機械の設計事務所を営んでおりました。
25才の時に大型二輪の免許を埼玉運転免許センターで取得しました。当時は教習所で大型二輪免許を
取得することが出来なかったので、いわゆる「イッパツ」で取りました。
その頃、全国交通安全協会の二輪車安全運転推進委員会が発行する指導員の免許も取得し、元々好きだった
二輪に対して、安全面でも勉強を始めた時期でした。
しかし母が60歳の時に緑内障と白内障を併発し、医師から目を酷使する事はすぐに止めるように
言われたため、やむなく設計事務所は廃業しました。
そこで「何か先のある事業は無いか?」と考えていた所、好きなオートバイをインターネットで販売したら
どうなのだろう?と考えました。
もともとネットオークションで洋服やサングラスなど小物の売買は経験していたので、ネット販売に
関する知識はありましたが、整備や接客についての知識はまったくなかったので、本を読んだり、
知人のお店で働かせていただき観察したりして独学で学びました。

今はヤマハトリシティ専門ショップとして、販売や公認構造変更などを手掛けていますが、
最初から専門な知識があった訳ではなく、イチから自分で調べるところからスタートしました。

- 当時、側車付軽二輪専門の会社がなかったのは、何か理由があったのでしょうか?
今でもそうですが、「売れればいい」「儲かればいい」「あとは知らない」というネットのバイク屋さんは
多いんです。
それに加え、側車付軽二輪に対する資料が、どこで調べてもハッキリした答えがなくて「お手上げ状態」と
いうことも、ほとんどのバイク屋さんが諦めた理由というのが実態なのかもしれません。
だからこそ当社の信頼度は大きく、公認を謳っているのは現状おそらく当社だけじゃないかなと。
当社のWebサイトも年間100万以上アクセスがありますし、そこから年間で1000件ほど問い合わせが
あります。
多い時には1日10件、20件と全国から問い合わせが来ますね。

- 全国からということは、現地まで社員の方を派遣して登録業務を行なうイメージでしょうか?
いいえ。
当社は道路交通法、道路運送車両法を熟知した弁護士もいますし、30年以上の実績をもつ登録業務専門の
行政書士もいます。
その先生方の協力会社が全国にありますので、そちらで登録や変更申請を依頼しております。
構造変更に必要とするパーツも私自身が図面を引き、専門の製作所に依頼しております。
従いまして、我々は加工、構造変更、新しいデザインの勘案、マーケティングや調査などはもとより、
さらに専門的な分野を深めていきたいと考えています。

- この分野に大手の企業が参入しない・できない要因はあるのでしょうか?
まだマーケットが狭いんだと思います。
トライクの最先端・アメリカの市場調査会社によると、この分野はアメリカでは200兆円の市場規模が
あるそうです。
それを単純に日本のマーケットに当てはめると約9兆円。
ただ、トライクといっても1000ccオーバーのハーレートライクから、モンキーのような50ccクラスの
トライクなど多岐に分かれてくるので、トリシティだけを見た場合、まだあまり大きくないのかなと。
潜在的なニーズはかなり高いと思いますし、将来的に大きくなる見込みは十分あります。
それでもまだ今のところは狭いので、大手が参入するレベルではないのかなと感じますね。

- なるほど。大手が入る前に早いうちにシェアを取るというフェーズなのですね。
当社としては、今後大手が入ってくる前提でビジネスを設計しています。
例えばWebサイトやユーチューブ。
現状、 アクセス数は年間38%ずつ増加しているので、あと2〜3年で300万から500万アクセスに
達する見込みです。
比例して、問い合わせ数も増えるでしょう。
また、今のお客様は個人と法人でおよそ半々の割合ですが、法人のほうは飲食関係の企業様の依頼が
増えています。
一定のポジションが確立されてきたかなとは思いますね。

先にも言いましたが、ネットでは「売れればいい」「儲かればいい」という悪質なネットバイク屋が
本当に多いんです。
3N(ノークレーム・ノーキャンセル・ノーリターン)を良いことに、違法の車両や保安基準に適合されて
いない車両、メーター改ざんや外装を入れ替えただけの事故車を、「問題ありませんよ」と平気な顔で売って
います。
それがどういうオートバイなのか?一般の方では絶対にわからないと思いますし、写真や文章だけでは
私達でもわかりません。
購入者が走行中に軽微な違反をして警察官の取締りをうけて、そこで初めて違法車両だとわかるんです。
本当に残念なことです。

- それはなぜWildduckのほうでわかったのでしょうか?
そのほとんどはお客様からご連絡をいただきます。
そして車両を見せていただくと貧相なパーツが付いており、曲がってしまっていたり、凹んでしまっていたり
錆び付いてぽろぽろと剥がれ落ちてきたりと、知識の無い者が適当にホームセンターで買ってきた、
安価なボルトやナットなどを利用して、いい加減に適当に取り付けた物だとすぐわかります。
事故になる前で良かった!といつも思っています。
他には各警察署からも電話がきます。
「この車両は本人に返却出来ないので引取に来て欲しい」という具合です。
そして警察署に行って、問題の車両を見ると、ノーマルだったり、違法改造だったりします。
その場合はこちらで預かって構造変更しますが、運転者は無免許運転になりますので、それはもう
大変なことになります…

売る側というのは、「ありとあらゆる事を想定して販売しなければいけない」と私は思っています。
つまり 「二重の防御壁」です。「構造の安心」と「法律の安心」です。当社には、この両建てがあるため、
お客様の信頼をがっちりと捉まえることができるんです。

そういった強みを活かし、今後も改良を続け、お客様に育てられ、成長していきたいと思っております。

- 本日はどうもありがとう御座いました。側車付軽二輪のトリシティを購入する際は御社が一番安心ということが理解いたしまし
た。


2020年、某雑誌インタビューへの記事を記載いたしました。


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